こんにちは。薬剤師のHです。
今回も、私のおすすめの本を紹介させていただきます。

「また、同じ夢を見ていた」 著:住野よる

前作「君の膵臓をたべたい」で、2016年の本屋大賞2位を獲得した、
佐野よるさんの第2作目の作品です。

主人公は、少し生意気な性格を持つ小学生の女の子で、ストーリー
の中で出会う3人の女性と関わる事で、それぞれのアドバイスを貰い、
徐々に成長して行きます。
国語の授業で「幸せ」とは何か、ということを考える課題が出され、
これを主なテーマとして話が進み、主人公は小学生なりのこれまでの
経験から考え、悩みます。

また、「人生とは、スイカみたいなもの。ほとんどの部分は噛んで飲み込
めるのに、食べてると口の中にちょっとだけ飲み込めない部分が残る。
だけど飲み込めなくてもどこかに埋めたら芽がでてくるかもしれない。」
といった個性的な表現をした格言の様なフレーズがいくつも登場します。
これらは、小学生のレベルの語彙力で単純な表現をしているのにも関わらず、
妙にしっくり来る不思議な感覚を覚えました。

この本を読み、自分にとって人生とは何か、幸せとは何かを改めて
考えさせられるだけに留まらず、いくら頭が良くても、人との関わり
を遮断して孤独になってしまうと、どんどん悪い方向へと進んでしまう
ということや、日常にある何気無い様々な分岐点で、その度に
立ち止まって真剣に考える大切さを感じさせられる内容になっています。

機会があれば、ぜひ御一読ください。