こんにちは。薬剤師のHです。今回もおすすめの本をご紹介させていただきます。

ツナグ        著:辻村深月

依頼を受けた者を死者に会わせるという能力を持つ使者(ツナグ)を主人公とする短編集の小説です。

ツナグには次の様な独特な設定のルールがあります。
①生者が死者にあえるのは一生で一度きり、また死者が生者にあえるのも一度きり。
②ツナグは、依頼人の依頼を受け、依頼人が会いたいと希望する死者に交渉する。会うつもりがあるかどうか、死者の気持ちを確認して、承諾が得られれば、依頼人を会わせることができる。

このルールに従って死者に会い、背中を押されて前向きになる者もいれば、逆に死者からの言葉で十字架を背負わされ、会ったことを後悔する者もいます。

また、物語の中でツナグの役割を果たすことにより成長していく主人公やツナグに関わる死生感にとても感動しました。
現実の世界でもツナグがどこかに存在して、活躍していてほしいと応援したくなる様な内容の物語になっています。

機会があれば、ぜひ御一読ください。